無気力を原動力に

株式投資で解脱した人のブログ

タイパ

毎朝8時前に起き、NHKの朝ドラを観て、お湯を沸かし、紅茶を淹れる。

今飲んでいるのは、ダージリンセカンドフラッシュ、オレンジバレー農園の茶葉だ。

ダージリンは「紅茶のシャンパン」と呼ばれているほど高級な茶葉で、

50グラム2000円から3000円が相場、上等なものはもっと値が張る。

3000円で計算してみると、マグカップ1杯分を淹れるのに約180円かかる。

なんて高額な飲み物だろう。蛇口をひねれば飲み物はいくらでも出てくるのに。

しかし、1杯180円の紅茶を高いとは思わない。

紅茶そのものが抜群に美味しいのは勿論だが、それだけではない。

時間を買っているのだ。

時間とともに変化する味、香りを楽しみながら、録画した番組や音楽に耽る。

そうこうしていると、1杯の紅茶を飲み切るのに1時間近く経っている。

豊かな1時間を手に入れられたのならば、180円という費用は本当に高いのだろうか。

タイパ(タイムパフォーマンス)を考慮したら高くはないように思う。

タイパが良いという理由で額面ほどには高いといえないサービスは他にもある。

例えば、カフェやバーを飲食のためだけに使うなら高すぎるが、

その店で過ごす時間、空間に対価を支払うのならば必ずしも高くはないと思う。

おたカフェにて。緑に囲まれた良いところです。

 

温浴施設は衛生のためだけに利用していたら高額だが、

心身の疲労と癒すためにゆったり浸かるなら2時間は楽しめるので安いと思う。

(カラスの行水や時間制限のある施設はNG)

そして、タイパ最強といえば読書において他にない。

本そのものが安いどころか、図書館を利用すればコストもかからない。

良書は思索を要求してくるので読むのに骨が折れる。

そのため多くの時間を消費する。

必要な情報や知識をいち早く知りたいだけの人には無縁かもしれないが、

時間がかかるということは、それだけ多くの思考や感動を醸成するのに役立つ。

知識も回り道すればするほど豊かになる。

タイパという言葉を聞いたとき、ついに時代が筆者に追いついたと思った。

が、巷で言われているタイパとは、動画を倍速で見ることだと知った。

なんだそりゃ。大量消費社会の延長戦ではないか。

 

(エンデさん、時間銀行の従業員たちはこの本を読んでいる暇はないんだよ)