文化を軽視するな
金額は1万円。
寄付といっても演奏会を割引価格で案内してくれるなどの優遇があるそうです。
室内楽が好みでオーケストラはあまり聴かないのですが、どういうわけかここ半年の間
に2回も聴きに行きました。
コンサートに行くといつも大量の公演案内のチラシが配られます。
寄付の案内はこの中に混じっていました。
このご時世クラシック業界は大変だろうなと思って寄付することにしました。
大変といっても文化庁から助成金が出ているだろうからつぶれることはないでしょう。
が、案内に載っていた収入の内訳を見るとそうでもなさそうです。
地方行政のおかげで運営は成り立っているので万事オッケーなんでしょうが、
文化庁からの助成金は4.5%で、寄付金の5.3%を下回っています。
この国は文化を舐めているのでしょうか。
確かに音楽は不要不急です。縁のない人には一生どうでもいいことでしょう。
でもヨーロッパではコロナによる文化芸術の衰退を憂いて保障を手厚くしました。
そしてウィズコロナへの始動も早いです。
日本ではそういった話を聞きません。(報道されていないだけかもしれませんが)
文化とは謂わば基礎研究みたいなものです。
いつ、どこで役立つのか分からないけれど価値があるとされているもの、
昨今こうした経済的価値で計れない物事がないがしろにされているように感じます。
それだけ日本も貧しくなったと言えばそれまでですが、
じゃあ豊かさを享受できた世代の日本人が洗練された趣味、価値観を持っていたかとい
えば、そうでもないように思います。
文系学部を廃止しようだなんて提案が、ご立派な人たちから出てくる国です。
文系なんか要らない?:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
人文科学を縮小していいと考えるのだから芸術なんてもっと軽いものなんでしょう。
高級な趣味、教養を希求する精神の欠如を憂える文章をトマトーレスさんという人(お
そらく一般人)が投稿していましたので紹介します。
いい加減コロナも出口戦略に舵を切ってくれるだろうと信じていますが、
この2年間で失われたのは飲食店や観光業の経済だけでなく、
芸術や教育といった非経済的な部分も相当に大きいのではないかと、
郵便局で寄付金の振込手続きを待ちながら思いました。